小林弘人「新世紀メディア論—新聞・雑誌が死ぬ前に」読んだ

遅まきながら読了。連載時はちゃんと読んでいたつもりなんだけど、けっこう誤読したり、重要な論点を見落としてましたねー。やっぱ紙の本すげーな(笑)

連載当初もそうだったんですが、おのおのの立場の人がビビるように、とにかく大量のフックが仕込んである構造(たぶん書籍化の際に、さらにフックの総量を増やしてる)になっているので、ひとつひとつの議論の精度はそれほど高くないと感じました。なので、本書に書かれていることについての是是非非を言うのは「釣られている」以外のなにものでもないわけで、そんなこと議論するヒマがあったら手を動かさないと、という気分ですね。

かく言う私もフックの多さにまんまと足を掬われて、「まあこの程度か」と見切ったつもりになっていたのですが、どっこいもう少し奥が深かった。私の感想をひとことで言えば、「There’s Plenty of Room at the Bottom」。ナノテクですね。

こばへん(とどうしても呼んでしまうWIRED JAPANどっぷり世代)にもう少し掘り下げてほしかったのは、「誰でもメディア」になるのであれば、ますます「何が(誰が)信頼に足るのか」についての担保が欲しくなるはずで、それはどうすれば獲得できるのか、といった、「オーソリティ問題」についてなんですが、まあそれは広げすぎですかね。。

で、ざっとググっても本文で言及されていたサイトのリンク集的なものが見つからなかったのでこのエントリを書き始めたのですが、書いている途中に見つけてしました。orz

『新世紀メディア論』をもっと深く読むためのレファレンス

まあ、お膝元だから当然か。版元のバジリコさんはそこら辺、もう少しなんとかできそうな気がしますが。。

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日高崇