昨日、おなし太極拳道場の仲間でもある日高から太極拳の歩き方においての踵(かかと)重心について質問されたので、ここに記しておこうと思います。
太極拳は多くの流派があり、さらにその中で個人個人によっても様々な解釈がなされているようですが、ここに書くのは
呉式太極拳を基本とする中国人 M先生の指導のもとで、私が考察、実践して得た結果としての方法で、すごく個人的なものです。参考にしていただけたらありがたい。
まず、両足をついた姿勢から、片足を前に出し地面に踵をつける。足の裏全体を地面につけたら、徐々に体重を移動させていきます。この時、骨盤と股関節の関係に意識を向ける。
ゆっくり股関節を意識しながら体重移動していき、股関節に体重の圧力を感じ始めたら、気持ち的にはもうその位置で股関節も膝も前に出さないような感じで、こらえながら体重を股関節に向けて沈めるような感覚で骨盤を移動させていく。
股関節に体重が乗れば踵にも自然に体重が乗っているのが分るはず。
呉式太極拳は前傾姿勢が特徴ですが、歩き方について、私は上体を前に傾けながら歩くものだとしばらくの間思っていましたが今はちょっと違います。
骨盤を背骨が直線になる角度(M先生は骨盤を巻くという表現をしてる)に維持したまま平行移動させるような感覚でいどうさせる。こうすると自然に上体は前に傾いていきます。
弓歩の形がうまくできたら、踵と股関節を垂直に貫く一本の中心線ができることが分ってくると思います。
私は多分この線のどこかに重心があるのだと思います。
さらに言えば、攬雀尾(ランジャクビ)に右手を正面に伸ばして、上体を右旋回させる動きがありますが、そのとき、この中心線を軸にして骨盤と上体を回すと確かな安定感を保持したまま回ることができます。
ではまた、お互い精進に励みましょう。