前バージョンは「アプリ起動」をキーに割り当てるタイプのユーティリティを併用することを想定しており、その結果AppleScriptをアプリケーション形式にしなければならず、特に遅いマシンでは軽快とはいいがたい動作になってしまっていました。(一番最初に作ったものはKeyboard Maestroでスクリプト書類形式のものを叩く仕様だったんですが、有料ユーティリティーってなかなか人に薦めづらいぢゃないですか)
で、先日某S先輩から連絡をいただいたのを機に、もう少しマジメにAppleScriptの直接実行が可能なキーボードショートカット割り当て系ユーティリティーを探してみました(ああ……QuicKeys……アキバのソフマで投げ売りされてた海外版のアップグレードをむりくりSRAに頼んだら本国にたらい回しにされたのう……)。
で、ありました。FastScripts Lite。ちゃんと有料版があるってことは当面存在しつづけるだろうし、急に有料ソフトになる心配も逆にないので安心ですね。さっそく落としてみるとちゃんと使える!動きスムース!というわけで、バージョン0.2にまとめ直しました(今回iTunes操作系ユーティリティもちょいと調べたんですが、早送り/巻き戻し機能は有料、なんてのもあるんですね。このセット、意外におトクです)。
余談ですが、このFastScriptsのパッケージングは今まで見た中で一番いい出来ですね。バージョン1.5系になってあまり評判のよろしくない、Firefox/ThunderbirdのMac版をパッケージングしている人々におかれてはぜひ見習っていただきたいものです。うーん、そうか……エイリアスか。。アタマいいなあ。。
以下、Readmeファイルです。
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テープ起こしセット ver. 0.2
[2006-02-08] HIDAKA Takashi
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【このセットは】
iTunesによるテープ起こしを支援するセットです。iTunesをAppleScriptで制御し、
○ちょこっと巻き戻し
○ちょこっと早送り
○停止/再生のトグル
ができるようにします。さらにこの機能をファンクションキーに割り当てて、エディタで文字を打ちながらiTunesのコントロールをキーボードからできる環境を作ります。【中身】
●iTunes用スクリプトのセット
●FastScripts Lite(へのショートカット。http://www.red-sweater.com/fastscripts/)【インストール】
●「自分のハードディスク→ライブラリ→Scripts」の下に、「iTunes」フォルダを置く
●FastScripts Liteをダウンロード(http://www.red-sweater.com/fastscripts/)して、「アプリケーションフォルダ」にコピーする。ダブルクリックして画面の指示に従い、粛々とインストールを完了してください。【設定】
(FastScripts LiteのReadmeファイルを見つつ設定するのが良いでしょう)
●メニューバーに新たなアイコンが現れているはずなので、その中の「FastScripts Lite→Preferences」を選び、「Keyboard Shortcuts」のタブを選びます
●自分がインストールした場所(上記説明通りなら/Library/Scripts/iTunesの中)にさきほどの3つのスクリプトが見えていると思うので、それぞれに好きなショートカットを割り当てます。(私はF2〜F4に「巻き戻し/再生・停止/早送り」の順で割り当ててます。まあ、ファンクションキーでもなくてもいいんですが。たとえばCtrl+1〜3とか)
●iTunesで適当な音声を再生して、うまく挙動することを確認してください【おまけ】
●このセットはフリーウエアです。転載は自由に行って下さい。著作権は作者(日高崇)に帰属します。また、万が一このソフトウエアの使用によってデータ損失等の損害が生じた場合でも、作者および転載者は責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。
ご感想・ご意見・バグ報告などありましたらご一報をお願いいたします。
●スクリプトファイルの中身は泣きたくなるほど単純なんで、早送りの度合いなんかを調整したい人は、「スクリプトエディタ」で開いて適宜カスタマイズしてください。
[修正方法]
・セットの中の「<<.app」あるいは「>>.app」を、「アプリケーション→AppleScript→スクリプトエディタ.appで開く(まあ、ダブルクリックすれば開くんですが)
・3 行目の「delay」という命令で「早送り(巻き戻し)のボタンを押しっぱなし」という状態を作り出しています。なので、ここを増やせばタップリ送れる(巻き戻せる)んですね。(「早送り/巻き戻しボタンを何秒押しているか」という意味の数字なので、現状の「1」ではトラックにして12秒くらいスキップされるはずです)
・減らしたい場合は、「delay 0.5」とか「delay 0.1」などとすると幸せになれるでしょう
・数字をいじったら、「コンパイル」をクリックしてiTunesで何かを再生しつつ「実行」して、適度な数字を見つけて下さい
・いい塩梅になったら、保存して終了【更新履歴】
2006-02-08 0.2リリース。AppleScriptを直接叩けるユーティリティーを発見したおかげで、スクリプトを書類形式に戻す。(# これで当面安定だな。。)
2005-05-16 0.1.1リリース。スクリプトがアプリケーションでなく、アップルスクリプト書類だったのを修正
2005-04-12 0.1リリース【TODO】
やりたいことは達成できたかと。これ以上フクザツなことをやりたい場合は素直にアプリ書いた方がいいでしょうね。(音声簡易編集/再生速度可変で操作を統合した、テープ起こし専用エディタとか。)
初めまして
Macユーザのライターです。
Winも使うので、テープ起こしについては「おこしやす」とか使っていたのですが、やっぱりMacでどうにかできないかなあと思って探しまわってました。
アプリケーションの切り替えをせずに作業できることがこんなにストレスを軽減するとは……。ありがとうございます!
iTunesの制御だと「Dictare」とかもあって、これはインストール(というか)がより簡単なのですが、細かな調整(巻き戻し秒数とか)が出来る点はこちらのセットのアドバンテージですね。使っててより気持ちいい感じ。
ところで、スクリプトをQuickTime Playerに転用することはできないのでしょうか? スクリプトエディタで、アプリケーション名を変えるだけじゃだめなんですね。
WMAも再生できる分、QTの方が使い回しが効くかなあと思っているのですが。
ご愛用まことにありがとうございます。
そうですか、「Dictare」なんてあるんですね。こっちは作りはブサイクwですが、しょせんAppleScriptなんで、応用範囲が広いのが強みです。
QT用ですか。いくらなんでもスクリプタブルでしょうから、「巻き戻し/早送り」という概念に相当する命令があれば簡単に移植できるでしょうね。時間を見つけてトライしてみます。ヒントをありがとうございました。
はじめまして。
私も、テープ起こしをするのにエディタと再生ソフトの間を行き来するのが面倒で、なんとかしたいと思っていました。
私はオリンパスのICレコーダを使っているので、ファイル形式がWAVのため、オリンパスから提供されているDSS Player-Lite2 for Mac
http://www.olympus.co.jp/jp/support/cs/VT/softDL/J/dssplite_m.html
というのを使っています。
この再生ソフトはスクリプタブルではないのですが、再生・停止などのショートカットキーが用意されているため、AppleScriptからキーストロークイベントを送ることで再生・停止などができます。
たとえば再生は、
tell application “DSS Player-Lite2 for Mac” to activate
delay 1 — これがないと次のキーストロークが無視される
tell application “System Events”
tell application process “DSS Player-Lite2 for Mac”
keystroke “p” using command down
end tell
end tell
ちょこっと巻き戻しは、
tell application “DSS Player-Lite2 for Mac” to activate
delay 1
tell application “System Events”
tell application process “DSS Player-Lite2 for Mac”
keystroke “r” using command down
delay 1.5 — 巻き戻し操作を続ける時間(秒)
keystroke “t” using command down
end tell
end tell
という具合です。このようなスクリプトを日高様の「iTunesでテープ起こしセット」と同じ要領で、ショートカットキー割り当て機能のあるソフト(私はQuicksilverのトリガー機能を使っています)で呼び出すように設定してみました。
長々とすみませんでした。貴重なアイデアに感謝いたします。
kurosakiさま
おお、QuickSilver使いさんですか。単なる思いつきをどんどん応用していただいて、感謝感謝です。
余談ですが、ポット(スタジオ・ポットの方)で初めて導入したICレコーダーがOlympusのものでした。ご指摘の通り独自仕様、独自フォーマット(たしか最初はそうだった。WAV書き出し機能で別途変換する、という仕様だったはず)だったんで、とにかくより汎用的に、MP3対応のものでないと、ということで、Olympusは一代限りにしてしまったんですが、こういう工夫があればなんとかできてしまうものなんですね。感心。