淡々とHTMLがらみのお仕事について書いてみるエントリ、第二回。
先週に続いて、Mac環境でのブラウザの準備です。
はじめにおことわりしておきますが、私は長年の Windows ユーザです。Mac は仕事上必要に迫られた時にしか使いません。従って、以下の話も私自身にじゅうぶんな経験がないためにあっさりとしたものになり、日常 Mac をメインに利用している方々には十分納得がいかないかもしれませんが、ご勘弁下さい。
Mac 環境
●Firefox
W3C の勧告への準拠度合いが高いブラウザとして Firefox を用意するというのは、Windows 版の場合と同様です。
ただ、もともと開発のメインターゲットが Mac ではなかったためなのか、Mac 版 Firefox には微妙な違和感がつきまといます。そういう感覚的な言い方をしてはいけないのでしょうが、おそらくそれは「Mac のお作法」とでも言うべきものにじゅうぶん則っていないことからくるのでしょう。
少し前のバージョンまでは、たとえば環境設定を変更しても(通常の Mac のお作法的に)即時反映がされなかったりというようなことがありました。最新版でも、Safari と比べるとすぐに分かるように、フォント表示や位置(行内でのフォントの上下位置)が微妙に汚かったりする面がまだ残っています。
一利用者としては「使えねぇなぁ」で済みますが、制作者側としては表示上の現実を把握しておく必要がありますから、Mac 利用者のほとんどは Safari を使っていて Firefox のシェアは少ないから無理に確認しなくてもいい、と言い切ってしまうわけにも行きません。
●Opera
Firefox とは一部の要素の margin や padding の取り方が異なるので、どちらか一方だけを使うということではなく、両方を利用するようにする、というのは Windows 環境の場合と同じです。
余談ですが、Windows 上でよりも Mac 上での方が「Opera は高速だ」という売りを体感できます。他のブラウザと比べて起動は明らかに素早く、画面表示もかなり高速です。
●Safari
今の Mac には皆デフォルトのブラウザとして含まれていますし、また Update があるとシステムや他のプログラムと一緒に必ず通知されますから、基本的には最新版で確認しておけば多くの Safari ユーザの環境とほぼ同じだと思って良いだろうと思います。
Windows 環境でしか表示確認をしない人々や、Mac 環境を持っていても Firefox 信者になってしまっている人々に注意を促しておきたいのが、Safari の フォントの扱いです。
Safari は日本語のフォント名(日本語フォント、ではありません、フォント名)を指定すると font-weight:bold;
などの指定をしても無視してしまうことがあります。具体的には h が自動的に bold になるはずと思いこんでいるとそうはならなくて慌てることなどがあります。
英語フォント名で W6 などとウェイトを明示して指定するか、そもそも個別のフォント名は指定せずに sans serif などの総称を指定するにとどめるか、よく考える必要があります。
この点だけからしても、出来ることなら Safari での表示確認は必ずした方がよいでしょう。実機の Mac を用意できなかったら、表示のキャプチャをとってくれるネット上のサービスなどを利用することを検討しましょう。
補足
Gecko エンジンになる以前の Netscape や Internet Explorer は、現在の Mac 上では非常にシェアが少ない(はず)なので、確認対象から外しても大きな問題はないと思います。
少数とはいえ確かにそういったブラウザを利用し続けている人々はいるわけですが、全てを考慮するという理想に夢中になるときりがありません。必要最低限の対策(スタイルシート適用の対象からあらかじめ外すようにコードを書いておくなど)をするにとどめるのが、現実的かもしれません。