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ヒダカはこうやってメールを管理してます

先日、(株)スタジオ・ポットの方の社長である沢辺から、「(ウチの若いのに)メールの使い方を教えるように」との依頼を受けました。事の発端は、あるメンバーが、自分に関係ある(けど、たぶん自分宛じゃなかった)メールを見落としていて、メーラを見たら未読メールで受信箱あふれまくり、という事が発覚し、これはイカン、ということになったのだと思いますが、まあせっかくなので(なにがだ)、今自分が試している方法論(GTDの影響受けまくり)を話してみようかな、ということで連休前に一時間ばかり話したことのまとめです。参考になれば。

→業務連絡1:「メール講習」を受けた方へ
先日お話したことは、「GTD」という知的生産管理手法にインスパイアされたものです。講習の中では、「GTDとは」という話に入ってしまうと話が拡散しすぎるので、わざと触れず、管理方法の例示もそれに合わせてGTD的な「型」のほとんどを取り除いて、かなりシンプルなものにしました。ここでまとめなおしている話の最後に出てくる方法の例は、もう少しフクザツなものになっていますが、本質的にはほとんど同じことである、ということに注意してください(「講習のときは、初心者向けにカンタンにした」ということではなく、私が実際にそうやっていたのです。連休中に少し研究して、もう少し複雑な工程を入れたのが、ここでまとめてあるやり方です)。

→業務連絡2:「GTDハック」的なものを求めてここに来た方へ
残念ながら、大したことは書いてありません。私は職場と自宅で同等のメール環境がないと落ち着きが無くなるタイプなのでimapでつないでいますが、それすらここで書いていることとは関係ありません。popで使ってる、普通のメールソフトでできることしか書いてありません。OSS好きなのでThunderbirdを使っていますが、addonもタギングも出てきません。
このエントリのテーマは、GTD以前の、「知的労働生産ってなんでこんなに(めんどくさい|全体像がつかみにくい|思ったとおりに進まない|ココロに負担がかかる)の?」といった問題に「メール」という切り口から、いくらかでも解答しようとする試みですので、そのレベルのことがわかりきっちゃっている人は「おーおー言ってることが若いのう」と、華麗にスルーしてください。

メールの何が問題なのか?

話をする前に、事前に「メールというシステムの短所を、自分なりに考えてきて下さい」という課題を出しました。出てきた回答はだいたいこんな感じ。(もしよかったら、読んでいる方も考えてみて下さい)

・PCの前にいないと対応できない
・必要な情報にアクセスしづらい
・メールの内容が、「大事」「そうでない」「どちらでもない」のどれなのか、判断がしづらい
・情報にアクセスするまでに介在するものが多くて、伝わりづらい
・「理想的な振り分け方」が見つからない
・(主に)時系列でしか管理ができないので、ものごとの優先順位がつけづらい

なるほどなるほど。

ひとつひとつ、間違っているわけではないのですが、もう少しだけ掘り下げて、私が今回話すことに引きつけた答え方をすると、こうなります。

「メールは、一通だけでは本質的に用件が完了しない」

さて、いきなりGTD教っぽくなってきました。(ニヤリ)

そう、メールは、非同期のコミュニケーション方法なのです。ベタな例で、電話と比べてみます。

[電話の場合]
相手呼び出す→用件1切出す→承諾(完了)→用件2切出す→協議→ミーティングの約束→用件2について内容確認→電話切る

[メールの場合]
用件1/用件2を書く→用件1の返事来る(完了)/用件2について返事来る→用件2についてミーティングの提案→返事来る(完了)

電話の場合、電話を切るまでに一応、二つの用件の、現時点での着地点まで一気に行けるのに対し、メールは圧倒的にメンドーです。用件1と2が同じメールに書いてあって、用件1の方が紛糾したり、用件2についての返事がなかったりして、その催促が必要になったりすると、アタマがワヤクチャになります。なので、賢い大人はメールの返事が来たら、内容次第では電話しちゃったりします。

もちろん、もはや我々はメールなしでは仕事を一ミリたりとも進めることはできないカラダです。メール脳です。では、どうすればいいか。「メールでのやりとりの際には、最短距離で(現時点での)完了」に辿り着けるように努力する」ということが必要になります。

……はいはい、能書きはわかりました。じゃあ、どうすればいいのか。相手とのやりとりを「完了」に導くためには、まず第一に自軍の陣容を万全にする必要があります。メーラーに容赦なく降り注ぐメールをチェックし、「捨てる」「リアクションする(含む、返事を書く)」「保存する」の選択を常に行い、次の「着弾」(メール着信)に備えることが、メールで円滑に仕事を進めるための第一歩となります。ようやく、「だからメール管理が大事なのです」という話に辿り着きました。では、具体的なハナシに入ります。

「行動する」「相手待ち」「保存」の3つのフォルダが基本

ここから先は百家争鳴、神学論争の域なのであまりやりたくないのですが、一応、ワタシ流はこう、ということで。
メールを受信したら、最低限の振り分け(メルマガはメルマガ専用フォルダに放り込む、とか)以外の自動振り分けはせず、一度すべて受信箱にとどめます。来たメールを開いたら、次の6つの判断をします。

1 いらない。捨てる
2 行動を起こす必要はないけど、いつか必要になるかもしれないので、「保存」フォルダに移動
3 「「了解」というメールを出す」のように、瞬時に完了する案件の場合は、それをする
4 「○月号、□□コーナーの入稿PDFファイルを送ってください」のように、内容が充分に明確なものについては、「行動する」フォルダに入れる
5 自分が誰かに「○○をしてください」という風に依頼して、同報で自分宛にも来た、みたいなメールの場合は、「相手待ち」フォルダに入れる
6 いろいろ問いただしたりする必要があったり、三つも四つも案件が書いてあるようなメールの場合は、スターなりラベルなりをつけて、受信箱に置いておく

1はいいですやね。でも、これをきちんとやらないと、大事な情報を見落とします。「捨てる」という判断が機械化できそうな場合は、自動振り分けのルールを書くとよいでしょう。
2については、「迷ったら保存」くらいに考えておけば良いと思います。(ただし、「捨てる勇気」も忘れずにw)
3と4は難しいです。「今は、情報を整理している時間なのだ」ということを思わず忘れて作業に入ってしまうと、優先順位を見失って痛い目に合います。
5も比較的難しいですが、これは主に「自分の領域」の出来事なので、メールの時点での判断にはそれほど迷わないと思います。むしろ、「そもそも、何を誰にどのタイミングで委任するか」という決定自体が高度である、と思います。
6が一番アタマの痛いところです。ひとつのメールにいくつもの無関係な案件を書いてきたり、問いたださないと何を依頼しているのかわからなかったり……(自戒をこめて)。ですが、ここはGTDで言うところの「Projectは実行不可能」というマントラを思い出して、受信箱にとどめておきます(「プロジェクト」というハコを作ってもいいのかもしれませんが、私の場合は明確な「プロジェクト」は別のGTDツールに集めているので、ここでは意識的に扱いを「ゆる」くしています)。

ということで、なんと!あんなにあった未読メールがスッキリと整理されました。しかも、あなたは次、何をすれば良いかもうわかっているはず、です。そう、6の処理でラベルを貼ったメールを見て、案件を分解したり、必要な事を問いただしたりして、何をすべきかを決定するか、「行動する」フォルダの中身を実行に移せば良い、というわけです。

次に仕事の切れ目ができたら、もう一度、受信箱のメールを処理してから、また同じことを繰り返して、仕事に入れば、重要な仕事をうっかり忘れる、というミスを大幅に防げるはずです。

で、これからどうするの?

もしここまで読んで「そりゃいい。さっそくやってみよう」と思った人は大変素直でよろしいのですが、この管理法は「おバカな人用」にチューニングされています。「おバカ」というのは、「身体にしみ込ませないとわからない」という程度の意味に考えて下さい。しかも、このやり方は「休む事なくやり続け」ないかぎり、絶対にうまくいきません。スマートフォルダはおろか、自動振り分けすらほとんど使わないので、ちょっとでも気をゆるめるとすぐ受信箱がいっぱいになります。だからといって、四六時中受信箱を整理していると、仕事への集中がてきめんに落ちます(「メール処理時間帯」みたいなスケジュールを自分に課する、というやり方もあります)。いずれにしろ、1〜6の判断は、千本ノックみたいなもので、何度も何度も判断し、判断の「フォーム矯正」をし続けないと、あなたを支援してくれることはないでしょう。
「そんな大変な方法はイヤだ」という人は、その場その場で仕事別、相手別のフォルダをどんどんつくって、そこに丁寧に仕分けしていくやり方の方がかえってミスが少ないかもしれません。私もつい半年くらい前まではそうしてましたから、エラそうなことは言えません。

いずれにしろ、メールだけで仕事はかたづきません。このやり方をもっと徹底してやりたい、という向きは、世のGTD本やサイトを読みあさって、ライフハッカーを目指すことをお勧めします。では、happy lifehacking!

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日高崇

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